歩いていると、穿いているスカートが回る、鞄は同じ側の方が持ちやすい、いつも右(左)の肩だけこりがひどい、ということありますよね。
それは、骨盤のゆがみ、回旋が原因かもしれません。
骨盤は体の動きをスムーズにするために、とても大切で、少しの回旋でも、様々な悪影響をもたらします。
骨盤が回旋する原因は、大げさなものではなく、日常生活の中に隠れています。
今回は、どうして骨盤が回旋してしまうのか、その原因についてお伝えします。
この記事の目次
骨盤の回旋とは?原因は何?
出典:All about
骨盤は体の土台のようなもので、腰の骨、胸の部分の背骨、首の骨が積み重なり、体を支えています。
左右、前後に動くことで、体の動きをスムーズにする役割もあります。
しかし、自覚、意識していないのに、骨盤が正しい位置になく、ねじれていることがあり、これを骨盤の回旋といいます。
例えば、普通、骨盤を正面にして、体を左にねじる(左回旋)をすると、おへそは左を向きます。
しかし、おへそを左ではなく、正面のままにしようとすると、骨盤は右へねじり、右回旋させようとします。
骨盤が回旋していると、このような姿勢をいつもとっていることになります。
この状態で歩こうとすると、左のつま先は外へ、右のつま先は内側を向いてしまうので、自然と左へ動く力が働き、左方向へ歩いてしまうことになり、真っ直ぐに歩けなくなります。
◯骨盤が回旋する理由は、日常生活の中にある癖
骨盤は腰辺りにある大きな骨なので、それが回旋するとなると、事故や病気など大きな理由を想像するかもしれませんね。
でも、驚くほど些細な、日常的な癖、重心を一方だけにかけたり、骨盤がずれてしまうような姿勢、動きが原因なのです。
骨盤を動かす時には、腰をねじる「外腹斜筋」と「内腹斜筋」を使いますが、いつも、骨盤を回旋させていると、筋肉の動きが定着し、常に回旋したままになります。
具体的に、次のような動きや姿勢があります。
- いつも同じ側に鞄、荷物を持っている
- 立っているときに、片足だけに重心をかける
- 横座りをする
- 椅子に座る時に、脚を組む
- 寝ているときに、同じ側を向いて寝ている
- 運転するときの車の座席が後ろすぎる
車を運転するときは、右足がアクセルにあり、そのままでも、右側に力が入りやすくなっています。
座席が後ろすぎてしまうと、右足をかなり前に出すことになり、骨盤が左を向く姿勢になります。
運転する機会は多い場合は、座席の位置を確認してみてくださいね。
◯筋肉の量、筋力の低下
また、骨盤を支える筋肉が衰えていることも原因の一つです。
骨盤の周りには、腹直筋・腹斜筋・腹横筋という3つの筋肉があり、運動不足で筋肉が衰えると、骨盤を支えられず、骨盤が回旋する傾向があります。
下腹がポッコリでている人は、骨盤が回旋していることが原因で、筋肉が鍛えられず脂肪が付きやすいケースもあります。
◯出産
妊娠すると、出産に向けて骨盤が緩みやすくなっています。
出産するときは、骨盤が大きく開くため、骨盤がずれてしまいます。
出産後、骨盤は正しい状態に戻ろうとしますが、ホルモンバランスの乱れや慣れない育児で無理な体制をとるので、骨盤が回旋してしまうケースはとても多いです。
骨盤が回旋してしまうと、どんな影響がある
骨盤が回旋してしまうと、真っ直ぐ歩けない、腰痛、肩こりなどの症状が出てきますが、影響はそれだけにとどまりません。
◯骨盤の回旋で、骨格がゆがむことによる影響
- 頭痛
- 肩こり
- 猫背
- 腰痛
- O脚、X脚
見た目や、痛みがあるので気が付きやすいですが、姿勢が悪くなるので、靴裏の擦り減りが激しい、何もない平らなところでこけやすくなります。
◯血行不良や冷え
骨盤に回旋が起こると、骨盤周りの筋肉が緊張し、胃腸の働きが低下するため、内臓の血行が悪くなり、体全体に血液が回らなくなります。
そのため体が冷えてしまい、様々な症状がでます。
- 下半身が痩せない
- 冷え性
- むくみ
- ほてり
- 便秘
- 子宮器官の不調(生理不順、生理痛、子宮筋腫など)
- 不妊
いつも手足が冷えている、おへその辺りが冷たい場合は、骨盤が回旋している疑いもあります。
◯骨盤の回旋で病気になる場合も
体が冷えることによって、起こる病気もあります。
- 自律神経失調症
- 脳梗塞
- 静脈瘤
- 脳出血
「冷えは万病の元」と言われる理由がよくわかりますね。
セルフチェックで骨盤の回旋を確認
骨盤の回旋は、たった0.数ミリから、大きくても1ミリ程度、見た目で骨盤の回旋に気付くのはとても難しいです。
そこで、簡単なセルフチェックの方法をご紹介します。
その場足ふみでチェック
1)床にテープを貼るなどして十字に印をつけ、交差している場所、中心に立つ
2)目を閉じた状態で、行進するように、太ももも高く上げ、その場で50回足踏みをする
3)目を開いて、初めの立ち位置、中心よりどれだけ動いているか確認
1m以上移動しているなら、骨盤が回旋している証拠です。
また、位置によっても回旋している方向がわかります。
右にずれている場合は、右への回旋、左の場合は左への回旋です。
猫背の場合は、前後にずれます。
まとめ
骨盤は正しい姿勢のためだけでなく、健康にも大きな影響をもたらしています。
特に女性は、男性よりも筋肉量が少なく冷えやすい、また出産を経験することも多いので、骨盤が回旋している割合が高いです。
そのままにしていると、年を重ねるごとに痛みがでて、ひどくなってしまいます。
立ち方、座り方の癖を治したり、運動をすることで改善されるので、まず、骨盤が回旋していないかセルフチェックで確認してくださいね。