シャンプー、洗顔フォーム、クレンジング、クリームなど、毎日使う化粧品には、ステアリン酸という成分が、よく使われています。
ステアリン酸は界面活性剤の一つですが、色々なものに入っているので、どんな効果があるのか、知りたくなりますよね。
また、界面活性剤と聞くと、肌に良くないなどの話もあり、何となくマイナスのイメージも…
何か、毒性があるのではないかと不安も出てきます。
そこで、色々な化粧品に使われるステアリン酸の効果や、不安な毒性についてまとめました。
きれいになるための化粧品、安心して使えるように、参考になると嬉しいです。
この記事の目次
ステアリン酸とは何?どんな効果があるの?
ステアリン酸とは、大豆油や、その他の植物の油脂に含まれる脂肪酸から作られた界面活性剤の一つです。
界面活性剤は水と油のなじみをよくする働きがあり、洗浄剤として洗顔料を始め、様々な化粧品に使われています。
ステアリン酸は、この作用の他にも、
- 水と油を混ぜて、乳化作用
- 化粧品の成分を浸透させる
- 皮膚を柔らかくし、潤いを与える
などがあり、加齢で水分が失われた肌も、みずみずしくする効果があります。
ステアリン酸は、天然の植物成分からできているため、自然派化粧品にも、よく含まれています。
潤い効果が高い上、皮膚が弱い、敏感な人も安心して使える、やさしい成分ということになります。
ステアリン酸に毒性はないの?
出典:GIRLY DROP
◯ステアリン酸の毒性は低い
先ほど、ステアリン酸は界面活性剤とお伝えしました。
界面活性剤と聞くと、洗濯洗剤に使われていたり、中毒死の事故なども聞いたりするので、それを肌に使うなんて毒性があるのではと、心配になりますよね。
実は、界面活性剤には、2種類あります。
石油から作られるイオン界面活性剤と、植物などから作られることが多い非イオン界面活性剤です。
洗濯洗剤は高い洗浄能力が必要なので、イオンの分解力を利用した、イオン界面活性剤が使われることが多いです。
(ウールなどのおしゃれ着は、イオン界面活性剤でない場合もあります。)
イオンの働きで洗浄成分を浸透させることができますが、その分刺激が強くなります。
ですが、化粧品に使われる、ステアリン酸は非イオン界面活性剤。
イオンが無いため、ずっと低刺激で、毒性も低いのです。
さらに、ステアリン酸は、自然由来の成分ということもあり、ゼロではありませんが、毒性はもっと低いとされています。
毒性が低く、安全性が高いことから、食品にも使われているほどです。
◯界面活性剤なのに本当に大丈夫?
ステアリン酸が毒性は低い、安全性が高いと分かっても、「界面活性剤は危険」「肌に良くない」という話はよく聞くので、やっぱり少し不安が残りますね。
確かに、界面活性剤の効果を利用するため、クレンジングや洗顔料に入れて、汚れやメイクを落とすので刺激はゼロではありません。
洗浄成分が強すぎると、汚れと一緒に、外部刺激からを守るためのバリアである、皮脂膜も落としてしまいます。
バリアがなくなれば、外部刺激から肌を守ることができないだけでなく、必要な水分も失ってしまうので、毒性があると言えるかもしれません。
しかし、通常は、クレンジングや洗顔料は、すぐに水で落としてしまうので、バリア機能をずっと壊し続けるわけではありません。
肌自身も、皮脂を出すことによって、弱酸性に戻り、バリア機能も元に戻ります。
ステアリン酸が界面活性剤ですが、化粧品に合った、使用方法や容量を守って使えば、毒性を心配しすぎる必要はありません。
もっと言えば、ステアリン酸に関わらず、日本で使われている化粧品の成分は、厳しい毒性試験や、刺激検査を通過したものだけです。
「界面活性剤は毒性ある」と、強く怖がる必要はないのです。
ただし、肌のバリア機能が大きく落ちていたり、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある場合は、すこし例外です。
強い刺激になる可能性があるので、薄いメイクで、界面活性剤を使わなくてもメイクオフできるようにするなど、注意が必要です。
◯洗浄剤以外のステアリン酸は、ほとんど心配はない
ここまで、ステアリン酸の洗浄成分について主にお伝えしましたが、ステアリン酸にはいくつも種類があり、主に乳化剤として使われるケースもあります。
化粧水、乳液、ハンドクリームなど、洗浄目的ではないものは、肌のバリア機能を壊すことは、ほとんどないので、毒性もさらに低いと考えていいでしょう。
ステアリン酸とどう付き合っていくかがポイント
ステアリン酸は、化粧品を作るうえでとても効果がある、必要な成分です。
これだけ、化粧品や洗剤がある生活の中で、ステアリン酸など、界面活性剤を使わずに生活することはまず、不可能です。
「石油系の界面活性剤は危険だから使わない」とか「植物性の界面活性剤は安全」という考え方は、はっきり言って、意味がありません。
重要なことは、その成分が自分に合っているか、使い方を考えることです。
例えば、
- クレンジング、洗顔の時には強くこすらない
- すすぎ忘れに気を付ける
- メイク、汚れに合った洗顔をする
- できるだけ低刺激なものを利用する
- 自分の肌のコンディションを考える
など、少し気を付けるだけで、肌の必要な皮脂を失わず、乾燥を防ぐことができます。
まとめ
ステアリン酸は含まれる化粧品は、肌を柔らかくし、潤いを与える効果がある、界面活性剤の毒性も低いものです。
ステアリン酸の毒性をすべて否定することはできませんが、化粧品を作るため、使うためには必要なものです。
大切なことは毒性を否定することよりも、自分の肌を知って、化粧品の使い方のコツをつかむことです。
どんなに効果な化粧品も、使い方を間違っては意味がないですよね。
化粧品を購入するときには、周りの情報にとらわれず、成分を確認し、自分の肌に合っているか納得して選ぶようしてくださいね。