テスト中や、会議中、電車の中など、静かな場所に限って、お腹が空いていないのに、腸が、グルグルっと鳴ると、恥ずかしくて困るんですよね。
つい、お腹あたりを押さえてみたり、力を入れて鳴らさないようにしたりすると、反って大きくなってしまう経験をしたことありませんか。
空腹で腸が鳴るのは当たり前ですが、そうでない場合も腸が鳴るのは、なぜなのでしょう。
腸が鳴るのは、自然現象の一つですが、異常なほど腸が鳴ったり、下痢を伴ったりするときは、病気の可能性もあるようなんです。
今回は、腸が鳴るメカニズムや病気の可能性などについてお伝えします。
この記事の目次
腸が鳴るのはどうして?
◯空腹時に腸が鳴るのは、胃の中の空気が原因
胃や腸では、筋肉を収縮させることで、消化したものを次の器官へ送り出しています。
この動きを、ぜんどう運動といい、胃で消化されたものは、ぜんどう運動によって腸へ送られます。
これをぜん動運動といいます。胃に入ってきたものはぜん動運動により小腸へと送られています。
全て送り出された後は、次の消化に向けてぜんどう運動を始めますが、この時、胃は空っぽです。
そのため、唾液などと一緒に入ってきた空気がぜんどう運動で動き、圧迫させることで、グルグルッと腸が鳴るのです。
これが、空腹時の腸が鳴る原因で、自然現象の一つです。
◯食後にお腹が鳴るのは、消化活動
食後に腸がなることもありますよね。
胃や腸の消化活動をしているときの音で、まだ、お腹が空いているからではありません。
腸が活発に消化を行っているときは、腸が鳴ることはよくあるケースです。
◯腸がなりやすくなる行動
直後に腸が鳴るのは、ぜんどう運動や、消化活動などの自然現象で、悪いことではありません。
ですが、静かな時に音が鳴るのは恥ずかしいですよね。
次のような行動は腸が鳴り易くなります。
- 早食い、食べすぎ
- 炭酸飲料をたくさん飲む
- パソコンなどで長時間のうつむき姿勢になる
- 無意識のうちに口を動かしている
- 歯を食い締める癖
- 食事中にたくさん水分を飲む
猫背など、お腹を圧迫する姿勢をしていると、腸を圧迫するため、鳴り易くなるため、背筋はできるだけ真っ直ぐするようにします。
上記の行動を控えること以外に、特に空腹時腸が鳴る時は、
- 血糖値をあげるために、チョコレートや飴を食べる
- 呼吸をしてお腹を膨らませる
- 親指と人差し指の間にあるツボをおさえる
なども効果があります。
また、気にし始めると、余計に腸が鳴る気がしませんか。
顔に出さなければ、自分だとは気づかれない場合も多いですし、気にないのも大切かもしれませんね。
腸が鳴ると下痢がある時はストレスが原因かも
腸が鳴るだけでも困るのに、同時に下痢などの症状がある時は、過敏性腸症候群の可能性が高いです。
腸は、ストレスを感じやすい場所で、第二の脳とも呼ばれています。
ちょっとしたストレス、不安、緊張を感じると、消化不良でお腹が痛くなり、下痢になりやすいのです。
過敏性腸症候群の厄介な点は、大腸の検査をしても、病気が分からないということです。
なかなか、原因が分からないまま、急な下痢や、腸が鳴る不安がさらにストレスになってしまい症状を悪化させるケースも多いです。
解決法としては、精神安定剤などや、胃腸薬、下痢止めなどが処方されることがありますが、何より、気にしないことが一番の治療です。
また、お腹をあたためると、緊張が取れやすくなるので、カイロなどを常備しておくのもおすすめです。
病気の可能性もある
下痢を伴う過敏性腸症候群以外にも、病気が原因で腸が鳴ることもあります。
◯呑気症
呑気症(どんきしょう)が原因で腸が鳴るケースもあります。
呑気症とは、不安、ストレスを感じるため、無意識のうちに多量の空気を飲み込んでしまう病気です。
たくさんの空気を飲み込むため、腸が鳴り易くなり、ゲップもよく出るようになります。
腸が鳴ると同時に、胃の不快感がある時には、呑気症も疑ってみましょう。
◯胃酸が異常に出ている
先ほど、胃はストレスを感じやすいとお伝えしましたよね。
ストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れ、胃腸の機能が低下し、胃酸が多く出てしまうことがあります。
胃酸が出る時に、音が出るのですが、空腹だと、より大きな音が鳴り易い傾向があります。
胃酸が出すぎると、嘔吐なども起こる危険性がありますので、胃にやさしい生活をするなど、機能改善が必要です。
◯腸炎
腸炎で消化器官が炎症を起こし、支障をきたすため、腸が鳴るケースもあります。
腸内機能が低下すると、腸の機能を回復、補おうして分泌液が増えるため、お腹が鳴り易くなります。
腸炎は細菌、ウイルス、食物アレルギーが原因で起こり、多くの場合、発熱、下痢を伴い、痛みがあるなど、腸が鳴る以外に複数の異常が見られます。
原因によって治療法が異なるため、まずは病院で診察を受け、原因を突き止める必要があります。
◯大腸がん
ジョギング、階段を昇るなど、ちょっとしたことで腸が鳴り、便意がある時は、大腸がんの危険性もあります。
下痢気味の便が出て、残便感があり、頻繁に便意があるなどの症状がでます。
便が細くなるのも、大腸がんの症状の一つですが、腸が鳴ると同時に便意に異常がある時は、大腸のがんの疑いがあるので、すぐに精密検査を受けてください。
◯ガス型の過敏性腸症候群
下痢型以外に、ガス型の過敏性腸症候群もあります。
下痢と同様に、気にすると、ガスが増え、お腹が張り、腸が鳴り易くなります。
◯妊娠中
病気ではありませんが、初期の妊婦も腸が鳴る回数が増えます。
妊娠中は、胎児に血液を送る必要があるので、血液の循環が良くなり、非妊娠時よりも脈動に敏感になっています。
中期になれば、胎動で腸が鳴ることもあります。
また、生理前、生理前も腸が鳴りますが、これはホルモンバランスが崩れることによるものです。
◯腸のなる音が小さくなる時も危険
腸が頻繁になるのは、病気の可能性があるとお伝えしてきましたが、反対に小さくなるのも危険なケースがあります。
空腹時や消化活動などの自然現象の時の音が、聞こえないほど小さくなる時は、腸閉塞を発症している可能性があります。
腸の音の大きさは意識していても、分かりにくいものですが、「最近、ご飯を食べた後も腸の音が全くしない」と感じる時は、念のため、検査を受けることをおすすめします。
まとめ
腸が鳴るのは、精神的なものが多いので、できるだけ気にしないことが必要です。
また、腸が鳴る以外に体の異常が感じられる時は、病気の可能性が高いので、油断せず、病院で検査を受けてくださいね。
それにしても、腸が鳴る音って恥ずかしいですよね。
特に、学生の時は、テスト中になるとグルグルと音が鳴って、困りました。
今思えば、お腹が空いたこともありますが、テストの不安と緊張で腸が鳴っていたんだな、と少し懐かしく思います。